遺言とエンディングノートの違いについてのQ&A
遺言とエンディングノートは何が違うのですか?
遺言とエンディングノートの違いを端的に申し上げると、法的効力の有無です。
遺言は、内容等に問題がなければ、相続開始後に、その遺言に記載されたとおりに財産を取得させる等の法的効果が発生します。
また、記載することができる内容にも制限があります。
一方、エンディングノートにはこのような効力はなく、生前に作成して遺したとしても、エンディングノートに書いたとおりのことを実現することができる法的拘束力はありません。
ただし、法的な制限がない代わりに、記載することができる内容にも制限がありません。
遺言はどうやって作るのですか?
実務上、多くの場合に用いられる遺言は、自筆証書遺言と公正証書遺言です。
いずれの遺言も、民法によって、形式的要件や、手続的要件が定められており、これらを満たさないと無効になってしまうことがあります。
自筆証書遺言は、原則として遺言者が自筆で書く必要があります。
財産に関する情報などについては、曖昧さを残さず正確に記載する必要があります。
さらに、作成した日付、遺言者の名前を正確に記載し、遺言者の押印をします。
押印に用いる印鑑に制限はありませんが、実務上は実印を用い、遺言作成日付に近い日付で発行した印鑑証明書も付けます。
公正証書遺言は、基本的には公証役場という場所において、公証人を介して作成します。
公証人も法律の専門家ですので、法的な要件を欠いて遺言が無効になるということはほぼありません。
公正証書遺言を作成する場合には、まず遺言の下書きを作成します。
遺言者の財産についても、一覧化し、裏付けとなる資料等を用意します。
その後、公証役場に連絡をし、遺言の下書きをもとに公正証書遺言案を作成してもらいます。
公正証書遺言の案の内容に問題がなければ、公証役場へ行き、公証人の面前で遺言を作成して終了となります。
エンディングノートはどうやって作るのですか?
エンディングノートには、特に決まった形式はありません。
メモ帳のようなものに書いてもよいですし、市販されているエンディングノートのフォーマットを使用することもできます。
書く内容にも制限はありません。
相続開始後に相続人が相続財産調査に困らないよう、財産の一覧や所在地を記載することや、ログインが必要なウェブサイトのID・パスワードを記しておくこともできます。
また、親族や知人に伝えたいことを遺すこともできます。
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